書いている人:ユキチ
過去に1,000名強在籍する会社の管理職で採用面接官も経験。
身近にはリクルートの6倍も学生を集める就活アドバイザーの元で学習した経験も持つ。
企業に就職する際には、相手企業の面接官との面接は欠かせません。
そこで、面接を受ける側が行うのが「面接対策」ですよね。
この面接というのは、企業側からしたら相手の情報を知る上で最も重要な方法です。
面接を受ける側からしても、面接の結果次第で人生の流れが決まる人もいるので、完璧な準備をして面接に臨む人も多いでしょう。
ここでは、かつて面接官をしていたボクが、面接を受ける側の立場に立ち、重要なことや合格するための視点をお伝えします。
参考になったら嬉しいです。
志望動機に対する回答は重要ではない
個人的に見解を述べさせてもらうならば、「志望動機」に対する回答は重要ではありません。
どの企業でも「志望動機」は聞かれるでしょうし、答える準備もされるでしょう。
志望動機は、自分自身が働くための理由づけとなるものです。
最低限「志望動機」に関しては自分の言葉で説明ができるでしょう。
説明に嘘はもちろんダメですが、時間をかけない準備で説明は足ります。
誰しも働きたい理由は少なからずありますからね。
ここの回答に時間をかけても、その回答は他者との差別化を図りにくいのです。
面接官に一目置かれるためには、他の部分の準備が大切なのです。
志望動機が重要ではない理由をもう一つ話します。
それは、面接官の多くは「準備してきた回答にはあまり興味がない」ということ。
面接官が聞きたいのは「あなたの本心」
では面接官は何に興味があるのか?
それは、「あなたの本心」に興味があるのです。
- 志望動機
- 学生時代に何を頑張ってきたか
- 入社したら何をしたいか
- 長所や短所
これらの質問に対する回答は、誰しも準備してくるであろう内容です。
会社側もそれは分かっています。
準備をしてくるであろう質問だからこそ、回答側はちょっとした脚色をつけることも可能です。
会社側としては、準備していないだろう回答を引き出そうとする面接官もいます。
その方が相手の本心を聞き出せる可能性が高く、相手の考えていることも分かりやすいのです。
準備をしていないだろう質問を投げかけたことがきっかけで、会社に相応しい人間かそうでないかが分かったり、それがきっかけで採用不採用が決定したケースも数多く見受けられます。
なので、面接を受ける側は最低限の準備は必要ですが、倍率の高い面接になればなるほど、質問の傾向は予想しにくく人によっては思っても見ない質問にあたふたしてしまうケースもあるかもしれません。
面接官が見たいのは「あなたの素」の部分
面接官はあなたの本心を聞きたいと話しました。
これは基本的に面接官の「耳」から入る情報です。
もう一つ面接官が取り入れたい情報があります。
それは、「あなたの素」の部分を見たいということです。
今度は「目」からの情報ですね。
面接の場は、面接をする側もされる側も緊張感を持って臨んでいる機会です。
互いに普段のリラックスしている状況とは少し違うのです。
面接を受ける側としては、話す言葉も練習し、マナーも勉強し、対策バッチリで来ているのですが、面接官はあなたの素を見ようとリラックスできるような質問や雑談をしてくる人もいます。
意図は、より普段に近い状況を作り出して、そこから見えるあなたの素を見極めたいということ。
この辺のあなたの言動が、直接採用不採用に関わることもあるのです。
- コミュニケーションの取り方は問題ないか
- 上下関係は問題なさそうか
- 会社の考え方に合いそうか
- 普段は明るいか、落ち着いているか
リラックスした会話の中には、あなたの様々な素の情報を収集しようとしている面接官が居るということは把握しておきましょう。
現パナソニック創業者の「故 松下幸之助」氏は経営の神様と言われており、日本国内では松下氏の考えをもとにした経営哲学が数多く広がっています。
ここでは生前、松下氏が自社の就活面接に社長として同席した際の話を例に挙げたいと思います。
↑松下幸之助氏(Wikipediaより)
松下氏は面接の席に同席した際に、面接を受ける人のある行動に注目していたのです。
それは、「面接が終わり、就職希望者が部屋を退出する後ろ姿」です。
緊張感のある面接を終了し、部屋を退出する直前の相手の後ろ姿で合否を決めることがあったようなのです。
この場面で気を抜く人や、やっと終わった〜という思いになる人は、その後ろ姿が物語るというのです。
社会に出たら詰めが甘いと良い影響は生まれません。
面接で良い結果を生むためには、部屋を完全に出るまで緊張感を持つことは最低限重要なのです。
経営の神様の面接採用時の3つの基準
上述した通り、経営の神様と言われている「松下幸之助」氏。
松下氏が生前に、採用の基準とした3つのポイントを紹介します。
コレを抑えるだけで、採用確率も上がってくるでしょう。
- ①運の良い人
- ②愛嬌のある人
- ③面接の部屋を出ていく後ろ姿
この3つです。
詳しく説明をして行きますが、③に関しては上述した通りの理由です。
①運の良い人
松下氏は、面接時に「あなたは運がいいですか?」と聞いていたのです。
この問いに対して就職希望者は「はい、あります!」と言ったり「運は無いと思います。」などと回答をします。
松下氏は「運は無いです」と話す就職希望者の多くに不採用を出していたのです。
その理由・・・誰しも困難や悩みがあるが、その中でも「こんな経験が出来ている私には運がある!」と思える人は「逆境」や「壁」を乗り越えられるメンタリティを持っている傾向が強いのです。
逆に困難や悩みがあった時に「私って運がないなぁ・・・」と考える人は、自ら困難を打開する能力が弱く逃げてしまったり、人に依存したりする傾向が強いのです。
物事が起こった時に「運が良いか」「運が悪いか」を決めるのは自分自身なのです。
このどちらを取るかで、あなたの行動も変わってくるのです。
松下氏は、自分の力で困難を打開しようとする能力を持った人を求めていたのですね。
②愛嬌のある人
愛嬌のある人は愛されやすいです。
同僚・上司部下だけでなく取引先を中心としたステークホルダー。
会社の中で関係性のある人たちに愛嬌を振りまける人は、利益をも生みやすいです。
もちろん、ただ馬鹿みたいに明るいだけではダメです。
仕事のポイント・要所を抑えながら愛嬌を振りまける人です。
明るくて、コミュニケーション能力が長けた人は人間社会では強いです。
向上意欲のある人はこれからの時代で強い
個人的な見解としては、「向上心」「勉強熱心」「現状維持」をしない人はどの業界でも重宝されると考えています。
時代の流れは早く、様々なシステム化・自動化がどんどん進んでいます。
その中で、時代の流れに沿おうと学習する人は時代に置いてけぼりになる可能性が低いです。
自分自身の学習は会社の成長にも直結する部分でもあります。
より機械化が進んで、人間の仕事が取られる時代が来ても、勉強を続けて会社から必要とされている人材であれば、クビを斬られる可能性も少なくなるでしょう。
面接対策に必要な「SWAN」の法則
ジョン・スワンと言う人が提唱した「SWAN」の法則というものがあります。
これは、SWANの頭文字を取った就職希望者をチェックする項目です。
- S Smart(利口)
- W Work Hard(勤勉)
- A Ambitious(野心的)
- N Nice(性格が良い)
となります。
基本的に面接者の多くは、就職希望者のSWANの部分を見ながら合否を考えていると言っても良いでしょう。
非常にシンプルで分かりやすい法則だと思うので、自分自身がSWANのように見てもらえるような準備をしましょう。
実践する人が少ない面接攻略方法を伝えます
個人的にこれまで、就職希望者を見てきて実感したことがあります。
個人的にはコレを実践するだけで、あなたの印象が急激に上昇すること間違い無しだと思っています。
それは「会社のビジョンを常に意識すること」です。
ここで言うビジョンとは、就職したいと考えている会社の「経営理念・経営方針」です。
これらは、会社の存在意義や向かうべき方向のことで、これらを忠実に実行・実践できている人は会社の役に立っていると言うことに繋がります。
面接受ける側の人は、希望する会社の経営理念はしっかり理解しておくべきだと考えます。(暗記&理解必須)
そして深く経営理念を理解した中で、経営理念を踏まえた回答にしていく事がポイントなのです。
経営理念を踏まえた回答の例を以下に挙げてみます。
- 私は武道をしていた経験もあり、忍耐強い正確です。この忍耐強さは御社の経営理念にある「粘り強い人材育成」に合致する部分であり、これからが非常に楽しみであります。
- 私は学生時代に数多くの動画制作をしておりました。その中でこれからは、より映像の力が強くなる未来が想像されますが、これまで私が培ってきた能力は、御社の理念にある「お客様を楽しませる」と言うことに強く貢献出来る自信があります。
- 御社の経営理念は私の夢でもあります。
と言うように様々な事例が挙げられますが、会社の進むべき道「経営理念」に沿って自分自身を照らし合わせた解答ができる人は、会社の未来の事を真剣に考えらている表れであって、言葉に強い説得力を持ちます。
面接官としては、会社と自分自身をしっかり考える事ができているなぁ。という好感触を生み出す可能性が高いのです。
このように自分自身と、会社の経営理念をしっかり理解して、言葉にできる就職希望者は案外少ないのが現実です。
他の人たちに差別化を図るためにも、この概要は是非理解して実践しましょう。
複数回にわたる面接にも気を抜かずに
会社によっては、複数回にわたって面接をする会社もあります。
これは少なからず会社があなたに興味を持っている証拠です。
誰しもたった1回の面接では、相手の特徴や考えてる事を理解し尽くす事は不可能です。
そのため、複数回にわたり面接を実施し、あなたの事を深く知る機会を設けているのです。
複数回会っていれば、緊張感も緩和されてきますしあなたの素も出やすくなるでしょうから。
採用に時間をかける程、会社で長続きする人材が見つかりやすいと言う話もあります。
時には時間帯や場所を変えたり、昼食を摂ったり、コーヒーを飲みながら一緒に面接をする会社もあるかもしれません。
上記で述べた通り、これらはあなたの素の部分を引き出そうとする意図もあるでしょう。
どんな場面で面接する機会があろうとも、相手の意図を瞬時に理解して準備対応することが重要なのです。
場に応じて気を許したりする事があっても良いですが、気は抜かないようにしましょう。
まとめ・対策するのに越したことはない
様々な事を挙げてきましたが、実際はこれらのことをしてこない会社の方が多いでしょう。
至ってシンプルな内容の面接に終始する会社もあるでしょう。
経験上、特に倍率の高い会社になればなるほど、思いもしなかった質問をされる事が多いので、上記で挙げた考え方をもとにあなたなりの悔いのない対策をしてほしいと考えます。
面接当日は、相手の質問の意図も理解した上で解答できるとよりベターでしょう。
全ては就活での合格のためです。
相手の会社をしっかり研究して面接した結果、あなたのことがもっと知りたい!と会社側に思ってもらったら勝利も同然です。
是非、人生の中で重要な面接で良い結果を得るために、身のある準備をしてください。
お読み頂きありがとう御座いました。
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